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2980円の格安チケット

格安航空会社LCC、約1000円の諸手数料のほか、預け荷物料に約2000円がかかるため、もし荷物があって追加料金を払うようなら、MCCの値段と比べてみるのがオススメ

成田-函館2980円!

SNSのタイムラインなどに、LCCの広告が飛び込んでくる。
今なら「成田-函館2980円!」

見るたびに思わず、旅にでかけたくなってしまう。

だが、安く買えるのは、かなり先の日程が多い。
2ヶ月も3ヶ月も先かと躊躇、さらに格安券はキャンセル時の返金が1円もない。

もしかして、こんなに先ならLCC(ローコストキャリア)に限らずMCC(ミドルコストキャリア)でも、安いんじゃない? と調べてみた。

ちなみに国内線では、LCCはピーチとバニラ(2020年までに経営統合する予定)、ジェットスターなど。これにて対してMCC(ミドルコストキャリア)は、エアドゥ、スカイマーク、スターフライヤー、ソラシドエアの4社、FSC(フルサービスキャリア)はANAとJALの2社、だ。

実際にかかる最小料金を比較

筆者の場合は、横浜在住なので、横浜駅から函館空港に行く、という比較をしてみた。

LCC・バニラエアの最安値で、成田-函館2980円。しかしこれには必ず諸税380円と支払い手数料600円が後から課されるので、支払額は3960円。
公共交通期間で横浜から、成田と羽田へ向かうのを比べると、約1000円成田行きの運賃が高い。この額も足すとLCCは、ほぼ5000円のチケットという扱いだ。

対するMCC・AIRDOは、『スペシャル75』という75日前料金で、羽田-函館8290円だった。ここまでで約3300円LCCが安い。

実質支払額は約5000円

同じだけのサービスを受けた場合の料金を比較

LCCでいつも苦戦するのが、預けに荷物なし、手荷物7.5kgまで、という重量制限。
バニラエアの場合はチェック体制が厳しく、成田空港では、預け荷物のない旅客も手荷物の重量を測られ、規定以内でないと計量済シールが貼られない。パソコンやカメラなどすこし重いものが入っているとあっさりオーバーしてしまう。

オーバーする場合は、事前に2000円の料金を払うと、受託手荷物が20kg預けられる。そのほか、座席指定料に500円、機内の飲み物が出ないので、追加で頼んだ場合200円。ここまでを足すと、MCCと同等のサービスとなる。

同等のサービスを受けた場合の料金比較

この時点で、差額は630円。まだLCCがかすかに安いが、空港までの移動時間(成田までが約1時間余計にかかる)を考えると、ほぼ誤差程度になってきた。
空港に着いてからの時間も、フライト時間はLCCが1時間40分、MCCが1時間20分。チェックインはLCCが30分前まで、MCCが15分前までと、さらに合計で35分間LCCに時間がより必要だ。

キャンセル料対決

日程が先なので、もし行けなくなった場合のキャンセル料も考えてみた。
AIRDOのキャンセル料金は40%+430円=3746円。バニラエアのキャンセル料は手数料込の全額で3960円。

これはなんと、AIRDOに軍配。

筆者は今回、ここまで考えて、LCCの格安ではなく、MCCの早割りをチョイスした。

POWER LOUNGE NORTHは最高

もう一つ、隠れた比較要素なのだが、LCCの飛ぶ成田第3ターミナルには、ラウンジがない。
成田第2ターミナルにはあるが、第2と第3の間はバスが出るほど距離があり、ラウンジのためだけに第2ターミナルに寄るのは、あまり現実的な選択肢ではない。

対するAIRDO側は羽田第2ターミナルでラウンジ完備。提携のクレジットカードを持っていたら無料(持っていなければ1000円)だ。

複数のラウンジの中でAIRDOの場合に良く使う、ゲート内、北ピア3階のPOWER LOUNGE NORTH は、年間10回は旅に出る筆者の知る中でも最高級のラウンジだ。

窓に面して飛行機を見ながら過ごせる席には電源(USB給電穴も)と荷物フックが各席に完備。
奥にはソファ席があり、そちらはくつろぐだけで充電はできないかと思いきや、サイドテーブルにお洒落に電源が隠されている。

ソフトドリンクの種類も豊富。紅茶だけでも4種類。豆乳青汁も珍しいなと飲んでみたが抹茶ミルクのようでおいしかった。完全分煙の禁煙スペースもあり、新聞・雑誌も豊富に揃う。
ものすごく快適な仕事環境なのだが、かえってここまで快適にされると、もう仕事している場合じゃないな~と、ラウンジでゆっくり寛いでしまったほどだ。搭乗口にも近く、フライト直前までゆったりと過ごすことができる。

POWER LOUNGE NORTH

そんなわけで、関東のどこが起点かにもよるが、手荷物がない時は、LCCで最安値がいいが、預け荷物があるときは、MCCの早割りの方が総合的にはお得感がでるかもしれない。またLCCのこうしたスーパーセールは時期限定でおこなわれており、通常はこれより2000円程度さらに高い。そうなってくると値段面でもMCCが下回る可能性も大いにある。

あるいは地方空港だとどの航空会社でもターミナルもラウンジも共通なことが多いので、往路と復路で航空会社を変え、東京発はMCCで羽田から、地方空港発はLCCで成田着という選択肢もいいのではないかと思う。