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イルミネーションといえば豪華にキラキラだが、あえて節電しながらも小さな彩りを楽しむ、震災後のイルミネーションの進化系

スマートイルミネーション横浜

霜月になり、街は夜景の季節へと向かっている。
そこかしこで始まるクリスマスイルミネーションの準備を前に、キラキラ輝く街の景色への期待が高まる。
そして、もう今年もそろそろ終りなのだなとしみじみと思ったりもする。

そんな今月の始め、横浜で少し面白いイベントがあったので紹介したい。

「スマートイルミネーション横浜」といい、一見するとどこにでもあるイルミネーションイベントのひとつかなという気もするのだが、「極力電力を使わない」イルミネーションという、ユニークな取り組みだ。

東日本大震災のあった2011年にスタートしたイベントで、アーティストの創造性を活用しながら、環境にやさしい、未来の夜景のあり方を考えることをコンセプトとしている。使用電力の制限規定もある。

「スマート」は装飾語ではなく、文字通りの無駄を減らしたスタイリッシュな洗練さと技術とを用いるというところだろうか。

体験型の個性派イルミネーションも

街を歩いて出会ったイルミネーションを紹介しよう。

城西国際大学メディア学部クロスメディアコースによる作品「縁」

光の花のように象の鼻パークの入口に飾られていた。
細くのびた湾の地形が象の鼻に見えることから、「象の鼻」という地名のついたエリアがイベント会場だ。

石井結実さんによる作品「痛い × アート」

昼の間に蓄光する石で出来ており、綺麗だなぁと見ていただけだったが、実はこの上を通っても良く、光る石に足を踏み出すと痛気持ちいいのだそうだ。

小野澤峻さんによる作品「Movement act」

ジャグリングを無人で見せることは可能かを、光る玉を使ったプログラムで検証する興味深い試みだった。

そのほかにも象の鼻周辺に様々なイルミネーションが

いずれも特徴としては、「夜景」のような規模ではなく近距離で楽しむイルミネーションであること。双方向(観客参加型)の作品も多かった。

地元の小学生がアイディアを出しあってワークショップで作った光の迷路は、子どもは早く抜けられるが、大人はなかなかクリアできないのだそう。

迷路を上からながめると象の形。「髙橋匡太さんと光のコースを作ろう」の成果

参加したアーティストのひとり、地上の人の動きを横浜税関のてっぺんに映しだした「ひかりおくり」の武内満さんは「電気をほとんど使っていないのに、すごく光がきれいに見える作品がある。特色があって面白いですね。」とイベントサイトで語っているが、まさにその通りの体感をした。

余談だがURLを設定しようとしてスマートイルミネーションを略したらsmill・・・に。ほっこり笑顔をいただきました。

惜しむらくは、開催期間もスマートで、11月1日から4日と、たったの4日間で開催を終えてしまっている。できたらクリスマスくらいまで光っていてくれたらいいのに!

関連サイト

スマートイルミネーション横浜 https://smart-illumination.jp/program/hikari-okuri/