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今も現役のSL

SLの動態保存に努める静岡県の大井川鐵道。自然豊かな大井川沿線の車窓と、日本有数の吊り橋を楽しむ。

SLが今でも走る大井川鐵道

「蒸気機関車」「SL」と聞くと、乗ったこともなくとも、どこか懐かしいような想いになる。

日本の鉄道は1872年(明治5年)に開業して以来、鉄路は徐々に全国に延び、蒸気を動力源として走行するシュッポシュッポという機関車の雄姿が各地で見られるようになった。

しかし、1940年代後半の石炭不足に悩まされたり、エネルギー効率や大量の煙による安全性や快適性なども考慮され、蒸気機関車を計画的に廃止・淘汰する「動力近代化計画」が1960年に答申され、やがて姿を消していった。

100年近く愛されたSLのファンは多く、全国の博物館などで展示の形でその姿を留めているが、やはり煙をあげて走る姿が見たい!そんな願いをかなえてくれる、SLに乗って線路を走ることができる鉄道が数は少ないが今でも存在している。

静岡県の大井川鐵道は、そのひとつで、運行本数がダントツに多い。日本で唯一、年間300日以上SLを営業運転している鉄道会社だ。

保有台数は4台、いずれも製造は昭和10年代で、様々な歴史を持つ

蒸気機関車の旅

蒸気機関車に乗るには、乗車券のほかに800円のSL急行料金が必要で、事前の予約も可能だ。
大井川鉄道の始発駅である金谷駅は、JR東海道線の金谷駅と隣接しており、アクセスは便利。
SLは金谷駅の隣りの、新金谷駅から出る。

出発前には、機関車と一緒に写真を撮ったり、運転室に入れてもらえたりもする嬉しいサービスもあった。

運転室には釜が鎮座する
釜の中で赤々と燃える石炭
煙を出すSL

客席につき、いざ出発。

レトロな客室

大井川鉄道の車窓

温泉地や、滝など沿線に様々な見どころがあるが、日本有数の吊橋の名所で、車窓から見る吊橋もいい。

車窓から。吊橋を見る

両手を機関車に向けて振ってくれるような余裕の人たちもいたが、下から見るとかなり怖そう…

車窓から。やや下方から見上げる吊橋

夢の吊橋

折角なので車窓から見るだけではなく、実際に吊橋を渡りたい。大井川鐵道千頭駅で下車、バスに乗り換え大井川鐵道寸又峡駅へ、そこから「夢の吊橋」という名の吊橋へ向かった。

夢の吊橋が見えてきた
歩行に自信のない方へのう回路の案内もある

長さ90m、高さは8m、吊橋の入口に係員がいて、同時に渡る人数を調整してくれていた。

目がくらむような夢の吊橋
景観を眺めながらおそるおそるゆっくりと渡る

アプト式や恋が叶う駅も

そのほかにも、大井川鉄道にはユニークな駅や列車がある。

恋が叶う駅といわれる「奥大井川恋錠駅」
急勾配を上るための鉄道システム、アプト式。赤いトロッコ列車
常務員が主導で入口ドアを閉める

カタンコトン、シュッシュッポッポッ、そんな懐かしい汽車の時間を、自然豊かな大井川でたっぷり味わう楽しい旅だった。

参考サイト

大井川鐵道:http://oigawa-railway.co.jp