「鉄旅of the year」でグランプリ、ながまれ海峡号の旅
北海道新幹線と道南いさりび鉄道
2016年3月、北海道新幹線が誕生し、東京駅から函館まで、座ったままで着くようになった。
と、同時に、消滅した路線がひとつある。
JR木古内駅からJR五稜郭駅までを結ぶ、JR江差線だ。
もし残っていれば、北海道新幹線の平行在来線にあたる区間である。
しかし、ただ消えたのではなく、「道南いさりび鉄道株式会社」として、第三セクター方式の鉄道事業者として生まれ変わった。
新幹線が内陸を走るのに対し、道南いさりび鉄道はずっと海沿いを走るとても気持ちのよい鉄道だ。
今日は、その道南いさりび鉄道での、ちょっと素敵な旅を紹介したい。
海辺の観光列車「ながまれ海峡号」
「ながまれ海峡号」は「観光列車」として運行される列車だが、鉄道会社は運行に専念し、観光列車の運営は旅行会社が行うという、「上下分離」の画期的なビジネスモデルでもある。
函館駅で乗車し、木古内駅までを一往復する日帰りツアーだが、道中には楽しみがいっぱい。
往路では、スィーツが提供される。どこから見てもウニイクラ丼だが、なんと、これが全部、スィーツなんです。口に含むと、イクラのジューシー感もうれしい。
海側の窓の向こうには、函館山も見える。
「ながまれ」とはこの地方の懐かしい方言で、「ゆっくりして」「のんびりして」の意にあたるが、まさに、のんびり、ゆったりの旅。
折り返しの木古内駅に着くと、真っ赤なゆるキャラが出迎えてくれた。
木古内産「はこだて和牛」をモチーフに、なんと山本寛斎氏がデザイン!という本格ゆるキャラだ。
木古内でしばらくフリータイム。帰りの車内では、鶴岡市の有名レストラン『アル・ケッチァーノ』のオーナーシェフ奥田政行氏が監修する木古内のレストラン『どうなんdes ocuda Spirits』監修の軽食が提供。
岐路、途中から車内の照明が落とされる。
イカ釣り漁船が放つ「いさりび」が見られるようにとの演出だ
途中駅では海の幸をホームで炭火焼していただく「いさりび焼き」の提供もあった。
そうして、車内で講談を聞いたり、仲間と談笑しながら楽しく過ごし、函館駅に戻る。
そんな、函館発着の日帰りツアーで、お値段は約1万円。
通年の開催ではないが、テーブルやヘッドレストを設置した特別仕様車での「ながまれ」る旅。
函館にくる折があったら、ぜひオススメしたい旅です。
参考サイト
道南いさりび鉄道株式会社:http://www.shr-isaribi.jp/