日本一早い終電の駅・新十津川

駅長はララちゃん


JR北海道が廃止を検討している路線・札沼線の終着駅の物語。駅長犬と子どもたちが旅人を迎える日々の風景

日本一早い終電の駅

日本一早い終電、といわれる終着駅がある。

北海道樺戸郡新十津川町字中央、新十津川(しんとつかわ)駅。

日本一早い終電は午前9時

終電は朝9時40分発、一日に一本だけ。言い換えれば、これは始発でもある。
到着便も1日1本、9時28分に到着し、12分間駅に滞在し、折り返す。

町の子どもがお出迎え

ここまでだと、誰も寄らなそうな場所に聞こえるだろう。
JR北海道でこうした駅なら、1日利用客が1人以下になってしまうことも珍しくはない。しかしここでは、逆に秘境駅として興味を惹かれてこの駅を訪れる人と、乗降客を迎える町の人々がいるという。

実際に札幌から新十津川駅へ、旅をしてみた。
札幌駅を6時55分に出発する列車に乗る。途中一階乗り換えて、新十津川には9時28分に到着した。

車両先頭の車窓

駅のホームから列車にカメラを向ける人が数人見えた。鉄道ファンだろうか。

真冬の平日でも数人が下車する

この駅の魅力は下車客へのお出迎え。

駅で遊んでいた小さなこどもたち

ようこそと手作りのカードをくれた

この日は子どもが3人、近くの病院付属の保育所に通う子どもたちで、ある日、駅までの散歩でお見送りをしてみたところ、子どもらから「また行きたい」との声があがり、以来恒例に。12分後、町を発つ列車を見送る。何人かの旅人は12分間だけ滞在し、来た列車で引き返していく。

「またきてねー」

土日には犬駅長も登場

それだけではない。

土日になると、登場するのは、犬駅長のララちゃん。

ララちゃんと、飼い主の高橋一正さん

とても大人しい犬で、初めての人が近づいても吠えられることはない。
このララちゃんも子どもたちのようにお散歩で十津川駅にきていたところ、ある日鉄道ファンの方から駅長帽をプレゼントされた。こうした帽子はいやがって被れない犬も多い中、大人しく被り続けていたところから、なんとなく駅長と呼ばれるようになっていったそうだ。

一日一本、終電午前10時前、なのになぜか人が集まってくる駅。

犬と人で、列車を見送る

そうして最終列車が行けば、近くのおやすみどころで休憩。

まきストーブのぬくもり

ぬくぬく

雪景色のなか。ほっこりとした気分になった。