釜谷駅の駅オバ
旅の楽しみはいろいろ。駅弁もいいけど、駅オバなんてどうでしょう?
北海道の南側、函館駅から木古内駅を結ぶ道南いさりび鉄道は、大半の駅が無人駅だ。
ただ、一部民間に管理が委託されていて、鉄道会社の人ではなく町の人がいるような駅がある。
釜谷駅はそのひとつ。
貨物列車のコンテナを利用した待合室。
中には、おばちゃんが座っている。
仕事は切符の委託販売。
駅を訪れるひとたちが思いをつづる駅ノートには「駅オバ」の名前で時々おばちゃんも日記を書く。
編んでいるセーターの話をする。
釜谷駅おばちゃん、と宛名を書けば手紙が届くような町。
旅客列車は一時間に一本足らず停まって、もうすこし多く貨物列車が通りすぎる。
駅のすぐ裏には畑があって、1時間に1本の汽車を見送れば、野良着に着替えて畑しごと。
おばちゃんがいるのは、朝の通勤・通学の時間だけ。こんな駅。手渡しの切符を、買って見たくなる。